島田雅彦『食いものの恨み』
島田雅彦『食いものの恨み』(講談社)読了。
意外なところでというか、カシマスタジアムのホスピタリティーについての記述を読んだ。島田雅彦は2002 FIFA ワールドカップ(TM)でイタリアvs.クロアチアを観るためにカシマスタジアムを訪れ、屋台がいっぱい出て、おいしいものがたくさん供され、地元鹿島の人たちが温かく歓迎してくれているのに感心したらしい。
最初に鹿島に行ってしまったので、翌日の横浜国際のまずい焼きそばがよけいこたえた、と、その辺が食いものの恨みってやつだ。「こんな売店にした責任者が日頃どんな貧しい食生活に甘んじていようが知ったことではないが、観客に食い物の恨みを売ることは許せない」ええ、怒ってます怒ってます。
焼きそばで思い出したけど、うちの相方がだいたいどこのスタジアムに行っても焼きそばを買って食う人で、やはりというか何というか、鹿島の焼きそばはうまかったそうです。キャベツがね、甘くておいしいということで。地もののキャベツなんでしょうね、きっと。
ところで、島田雅彦のこの本の前半、表題になった痛快グルメ『日誌食いものの恨み』と題されたエッセイ群で、強調したい部分の活字フォントをでかくするという、まあよくあるウェブ日記の文体みたいな方法をとっているが、ウェブじゃなく活字になると、このでかいフォントが何やら頭悪いっていうか安い感じがするのはなぜだ。
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