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2004/10/12

米原万里『旅行者の朝食』

米原万里『旅行者の朝食』(文春文庫)読了。著者初のグルメ(?)エッセイ集である。あたしも食いしん坊であることに関しては人後に落ちず、小説やマンガ、映画なんかの食い物描写部分だけよく覚えていたりしたことは以前雑文のネタにしたくらいである。だからこの本の、プラハのソビエト学校時代、林間学校でクラスメートに『おむすびコロリン』の話を教えていて、おむすびが無性に食べたくなり、話しながら涙が出たシーンや、『点子ちゃんとアントン』の「トルコ蜜飴」についてのエピソードなんか、とても他人ごととは思えない。
しかし米原万里が凡百の食いしん坊(って何だよ(笑))と違うところは、トルコ蜜飴からプラハの駄菓子屋で売っている"TURECKY MED"(トルコの蜜)へ、そこからロシアの"ハルヴァ"(キリル文字はどうやって出すのだ?)へ、その味に魅了されてサマルカンドのバザールで売っているハルヴァ、タシケントのハルヴァイタル、アテネ土産のハルヴァ、イギリスの"TURKISH DELIGHT"、スペインのポルボロン、インドのハルーアへと広がり、ついに料理研究家のポフリョーブキンの『料理芸術大辞典』のハルヴァについての記述に行き着き、古代から中世にかけてユーラシアの大地を行きかっていた遊牧民や商人たちにまで想いをはせる、そのスケール感である。
いまわの際に、姪が新幹線で帰ることを知り、八角弁当(水了軒のお弁当。新大阪駅などで買える)を薦める叔父さんが素敵。

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