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2006/04/19

晴れやかな魂

とある日記、えー、明示的にそのサイトをご紹介するのがこの文章の目的ではないのでしませんが、とある日記がありまして、yahooなどで何か調べ物をしていて、何度か引っかかったのです。とりたてて検索にひっかかるための工夫がしてあるわけではなくて、おそらく、あたしとその日記の人の読書傾向が似ていらっしゃるからだと思います。
気になって、過去ログなどを読んでみました。
あたしよりもちょっと年下であろうその女性(たぶん)は、結婚をし、お子さんができてお勤めをやめ、お子さんが2人とも小学校に入られたあたりでお勤めを再開し、その後、離れたところに独りでお住まいのお姑さんの、ひとり暮らしが心もとなくなったあたりでまたお勤めをやめ、介護サービスなどの手を借りながら、夫君と協力しながら、週に何回もお姑さんのところに通い、散歩や昼食、通院などに寄り添ってあげ、認知症が進行していると思しきお姑さんの不安を和らげる心配りもし、夕食の準備までしてからまた家に戻り、もちろん自分の家の中のこと、お子さんの世話などをしつつ、自宅でできる仕事を探し、お子さんたちも小学校の中学年、高学年になれば課外活動などもあるわけですが、その送り迎えや手伝い、それに地域活動もこなしつつ、そうやって、ある意味平凡な、しかし忙しい日々を送りながら、お姑さんのところへ行く電車の中で、通院の待ち時間の中で、洗濯機を回して夕食の支度をし終えてふっと空いた時間の中で、気が遠くなるようなこま切れの時間の中で、その人はたくさんの読書をし、自分の趣味の活動もし、そうして日記や読書のページを更新していらっしゃるわけです。何年もね。
そのくらい、主婦はみんなやってるのよ、という方もいらっしゃるでしょう。そうかも知れません。ただ、あたしがことさら心惹かれたのは、その日記の記述、決して名文ではなく、どちらかといえばメリハリなく(おそらく、あまり不特定多数の読者受けを想定はしてらっしゃらないのだと思いますが)、日常を淡々と、かつきめ細かく記録している、その日記の中に、不平、不満、文句、愚痴、懊悩などの記述が、ほとんどない、という点だと思います。
もちろん、現実には、これだけ忙しい日々の中で、お子さんに声を荒げたり、夫婦の会話にも険悪な空気が漂ったり、そういうことも時にはあるに違いないのですけれど、そういったことも、一旦自分の中で対象化し、自分の心に受け皿を作り、しっくりとその中に収めて、そうやって日々を紡いでいらっしゃるのが感じ取れる気がします。
見習うとか、そういうことができるとは(怠惰で不平不満の多いあたしにはとても)思えませんけれど、こういうひとがいるのだなと、うつくしいなと、そんな気持ち。

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コメント

R改めOBAKA母です。
これぞ人生。
うまくいえませんが、地に足が着いた生き方、といいますか・・・。
このような方は立派だと思います。
ま、私は仕事の憂さを夫への八つ当たりで晴らしたりしてますのでまったくお呼びじゃありません。

投稿: OBAKA母 | 2006/04/21 00:20

うん、実際に会ってみたらどうかわかりませんが。

投稿: おがん | 2006/04/21 18:07

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