ホセ・カレーラスのクリスマスコンサート
オーチャードホールで催されたカレーラスのクリスマスコンサートに行ってきましたよ。十数年来愛聴してきた敬愛する歌手だけども、ライブは初めて。
つーか、8月にチケット予約した時は、12月21日という日付に全く何も思い当たらなかったけど、クリスマスだよね。そりゃそうだよね。しまったなあ。まあ、クリスマスソングって、シンプルな美しい旋律の曲が多いから、カレーラスにはよく合ってると思う。アデステ・フィデレス、よかったです。
カレーラスというテノール歌手は、若い頃から、声量はないし、高い音域はアヤシイというかはっきり言って出てないし、テクニックがあるわけでもないし、じゃあ何が魅力なのかというと、張りのあるチャーミングな美しい声質、誠実な、ギリギリまで頑張ることによって生じるスリリングな歌いぶり、時おりひらめく暗い熱情、などが、他には稀な資質なわけで。若い頃の録音も持ってるけど、歌う喜びと若い激情で、まるで泣き出さんばかりの熱唱、いやもう母性本能くすぐり系である。
サッカーのフォワードと違い、テノール歌手は、曲の一部分に一瞬出てくる高いドを外したからといって、そこまでの過程が全部無になってしまう、というような職業じゃなくてよかったですね。いや、曲によっては無になったりするか。
カレーラスももう60歳だし、あまり衰えないうちに(をい)生で聴いておこう、というつもりだったんだけどね。さすがに加齢で若干声質が重くなった気もするけど、誠実で端正な歌いぶりは健在で、声に張りもあるし、最近はベル・エポックに凝っていてCDも出したらしいし、来年も来日するそうだし、お元気そうでよかったです。
あんまり関係ないけど、近くの席に、お着物を召した年配の女性がいらして、その方の帯がクリスマス柄(トナカイやクリスマスツリーなど)だったので、嬉しくなりました。帯を褒めついでにおききしたところ、お特別誂えらしいです。素敵ね。
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