映画『鉄塔武蔵野線』
相方が『鉄塔武蔵野線』を録画していてくれたのを見た。ああ、懐かしいね。遊び切れないほど長い時間があった、それなのになぜか焦燥感がお腹のあたりにちりちりしていた小学校時代の夏休み。
あたしも、小学校の頃、あてもなく自転車でふらついていたら、砂防ダムがたくさん連なる川にたどり着き、この上の上にはいったい何があるんだろうと、砂防ダムをいくつもいくつも乗り越えながら(砂防ダムって堰堤みたいなものだし、その川は夏はほとんど水が流れていなかったので、小学生でも乗り越えられた)上流に登って行ったことを思い出したよ。夥しい蝉の声。
それでもう一つ思い出したけど、学生の頃、研究室の助手の人が、関東にある某電力会社(あまり伏せる意味がありませんね)に依頼されて、鉄塔が景観に及ぼす影響の調査をするのを手伝ったことがあって、もちろん学生なんで、他の人が撮って来たたくさんの鉄塔の写真を並べて掲示したり、質問紙を配ったり、集めたり、データを入力したり、そういう下っ端仕事をしただけだけど、その際、一般の人に意識調査するだけでなく、某電力会社の技術者も集めて意識調査をしたんだよね。それでわかったのは、鉄塔は1本、2本と数えるんじゃなくて、1基、2基といわなくてはいけないこと、あと、某電力会社の技術者の人たちにとっては、鉄塔というのはそれぞれ個別にアイデンティファイされていて、写真を見ればそれがどこに、いつ立った鉄塔で、どういう役目をしていて、立てた時にどんな問題や苦労があったかをいちどきに思い出す、思い出したら最後、思い出話が止まらない、とてものことに、「醜いと思いますか?思う・あまり思わない・全く思わない」なんて質問の対象たり得ないってことだね。
まあ、あれだ、何か、鉄塔をたどっていってみたくなる、鉄塔愛に溢れる映画でしたよ。
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